プラスデザインの設計料と業務内容についてお伝えいたします。
まず前提として設計事務所というのは、通常3つの分野にわかれています。
ハウスメーカーとは違い、施工会社ではないので、お客さまの目線で厳しく現場を監理し、監督、指導を行います。
意匠設計・・・建物の全体計画、事業収支の組み立て、平面、立面、断面計画、デザイン、仕様等を決め、図面を作成し、関係各所との調整を図ります。
構造設計・・・地震等に対して建物が壊れないように構造計算で柱、梁の大きさや鉄筋の本数を決めたり、基礎の形式を決め、構造設計図を作成します。
電気・設備設計・・・電気やインターネット等の電気設備、空調・給排水等の配管設備といった建物の設備の設計を行います。
通常は意匠事務所がお客様から受注し、構造、設備事務所に外注するという流れです。
それでは本題に戻ります。
■国土交通省が決めた設計事務所の業務報酬基準
それでは本題に戻ります。設計料については国土交通省が決めた設計事務所の業務報酬基準というものがあります。
設計料金というのは実は法律で決まっています。
世間を騒がせた、あの構造計算書偽装問題を踏まえ、平成18年8月に新しくなりました。
古い業務報酬基準(昭和54年建設省告示第1206号)の見直しがされています。
平成21年1月7日に新しい業務報酬基準(平成21年国土交通省告示第15号)が定められました。
により決まっています。つまり、勝手に雰囲気で決めているわけではないのです。
きちんと算定する基準があるわけです。
建物の金額、計算の方法とは
仮に延床面積 750㎡ 予定工事費 1億8000万円の賃貸住宅のケースで計算してみましょう。
※直接人件費=¥3250/時間×延べ時間
※直接経費+間接経費=直接人件費と同額
※特別経費=他県や遠方などの場合の交通、宿泊費なのでこのケースでは¥0
※技術料等経費=特別高度な技術等を使う場合なのでこのケースでは¥0
■延べ時間表
延べ時間=1300+630+440+680+200+180= 3,430時間
直接人件費=3430時間×¥3250=¥11,147,500
※設計料=¥11,147,500+¥11,147,500=2,229万5千円
お国が決めた標準設計料はこうなります・・・高いですね。こんなにもらえればありがたいですが・・・。
プラスデザインの設計料金は以下のようになります。
工事費 |
設計料(目安) |
5000万以下 |
~10% |
5,000~10,000万 |
10%~6% |
10,000~20,000万 |
6%~5% |
20000~30000万 |
5%~4% |
30000万~ |
4%~ |
※建設場所、用途地域、敷地の形状、ご自宅併用、店舗併用
等の条件、難易度により、増減する場合があります。
あくまでも目安ですので、ご相談ください。
※1億円×6%=約600万円
このうち、構造設計事務所に約25%=150万
設備事務所に約15%=90万
省エネ業務・HP維持・パース等外注費で約10%=60万
当事務所は残りの300万円となります
では設計って実際何をしてるの?というご質問もよくお受けいたしますのでご説明いたします。
国土交通省が定めている業務内容、業務報酬は下記のように決まっています
http://www.icas.or.jp/kenchikushiho/pdf/kokuji15.pdf
一般の方が見られてもわかりずらいと思いますので、先ほど例にあげたモデルケースで一連の流れをご紹介いたします。
まずは、お客様のご要望をお聞きした上で、その立地における最高で最適なプランをお作り致します。
そして当社のネットワークから良質で安く作れる優秀な施工会社数十社から概算をとります。
そしてその中から一番良いものを選びます。
よって、他のハウスメーカー、設計事務所には絶対に負けません。
(たとえばRCで他社坪単価120万円のところ、当社選出施工会社では坪単価100万円等)
概算工事費が出ましたら事業計画書をお出しいたします。
そしてお客様とのお打合せのなかで必要であれば図面を修正、進化させます。
そしてご納得していただきましたら設計契約となります。
その後もさらに打合せ、構造、設備の検討、役所協議を重ねていきます。
ご納得いただければ実施設計(詳細設計)に入ります。
構造、設備、デザインなどの詳細設計をすすめつつ、並行して確認申請図書の作成を行います。
役所、消防、近隣との協議がおわりましたら確認申請書提出です。
その後、施工会社に、実施図面を提出し本見積もりとなります。
この間は、確認申請書や実施図面の各所からの質疑の対応、追加説明書の作成などを行います。
そして施工会社から見積もりがあがってきたら、最終調整をし、工事請負契約となります。
確認申請が下付されると、着工となります。
施工会社には、設計図書内容を細かく説明し、きっちり図面通り施工するよう指導、監督を行います。
また、各種施工図のチェック、現場検査、定例打合せを重ねます。
そして、様々な検査をクリアさせて完成、お引渡しとなります。
もちろん、完成してからも入居者募集や管理業務、建物維持管理、節税対策等々、賃貸経営に関する様々なアドバイスも行います。末永いお付き合いのはじまりとなります。
最初のお打合せから設計契約まで約2~3か月
確認申請提出まで約2~3か月
工事請負契約まで約2か月
完成まで約8か月
トータル15か月となります。(あくまで目安です。条件等によっては大幅に縮めることも可能です)
先ほどの当社の実質設計料300万円で経費が半分なので、残りが150万円
15か月で割ると月平均約10万円となります。
このように膨大な手間と時間がかかるのでほとんど利益は出ません。というか赤字ギリギリです・・・。
ただ、建物が完成しお客様によろこんでいただけたら、それまでの苦労は吹き飛びます!
街を歩くとお分かりになると思いますが、世の中のほとんどの建物は手をかけてるとはとても言い難いものです。じっくりと時間を掛け、お客様と向き合い、全身全霊をかけ、それこそ、命がけで建物をつくっていかなければならないと思います。
今後もそうした姿勢は崩さず、精進していく所存であります。