リフュージュ・オー・フォレストⅢの設計
物件名: |
リフュージュ・オー・フォレストⅢ |
構造: |
RC造 |
階数: |
地下1階+地上3階建て+ペントハウス |
建築規制が多い永福町の物件
高級住宅街として知られている「永福町」。永福の地名の由来は、この地にある永福寺にちなんでいます。大永2年に作られた「永福寺」には、十一面観音立像、不道明王と毘沙門天があり地域の人に長い間、愛されています。
そんな歴史ある永福町ですが、閑静な高級住宅街でもあるので、街並みを守るために建築規制がたくさんある地域でもあります。今回は、そんな永福町から徒歩9分ほどにある立地にて、設計のご依頼がありました.
永福町から徒歩9分
リフュージュ・オー・フォレストⅢは京王井の頭線永福町駅から徒歩9分。
渋谷まで電車で12分という好立地にあるため、渋谷で働く人に人気がある場所です。駅前には井の頭通り、永福通り、永福通りの終点には「方南通り」、甲州街道と、永福町駅を中心に東西南北にアクセスすることができます。
町は通りから1本入ると、静かで落ちついた雰囲気がただよっています。静かに生活がしたい、落ち着いた大人の方にはぴったりの場所です。
今回は、「仕事にも住まいにもこだわりのある」、「ワンランク上の層に向けてのプラン」、を意識して建物を設計しました。
オーナー様の悩み
建築規制が厳しい、旗竿地
今回の物件は、道路に接している道幅が狭い土地で、マンションが立てられないか?という依頼でした。
いわゆる「旗竿敷地」の建築となります。さらに、この場所ですが、風致地区(ふうちちく)に指定されています。風致地区とは、建築規制の厳しい地域の事です。風致地域では、建蔽率や容積率に規制があります。
場所によっては建物の色なども規制の対象になってしまいます。厳しい制限の場所では建ぺい率が20%、道路境界から建物の外壁までの間隔が3メートル以上必要と言う場所もあるくらいです。収益物件など建物を建てる場合は、その地域にどんな規制があるのか?を調べておく必要があります。
今回は「風致地域」に収益物件を建てたいという依頼だったため、ハウスメーカーがすすめる物件は規格が合わず、さらに通常の設計事務所からも「この土地はむずかしい・・・」と言われた物件でした。
道幅は、2.9Mです。
下の写真をみて分かる通り、かなり道幅が細くなっています。
道路に接している面が少ないと、工事をするときに資材を運ぶのに時間と費用がかかり、建築コストが高くなってしまう恐れがあります。
今回は、隣が駐車場だったので、工事費用を抑えることができました。場所や条件よって工事コストが変わってしまうので、建築コストは算出方法が難しいと、設計をしながらいつも感じます。
プラスデザインの提案
プラスデザインでは今回、この旗竿地、他社と差別化でき、さらに建築費用をおさえられる提案をさせていただきました。
まず旗竿敷地という悪条件をどう活かすか?を考えました。
通常、2階建ての建物は、共用部分階段、廊下が必要になります。しかし、一階に入り口を作ってしまい、建物の中で2階に移動できるようにすれば、共用部分の階段や廊下が必要ありません。
そこで、日本の文化である「長屋」を取り入れ、「重層長屋」形式の物件を提案させていただきました。
共用廊下を無くすことにより、居室に光や風も取り込め、プライバシーも守れます。 さらに建築坪単価を下げ、家賃収入を増やすため地下部分や屋上部分を有効活用できるようにしました。
1階に全8住戸の玄関を設け、メゾネットとトリプレットの組み合わせで構成しました。
外観のデザイン
外壁のコンクリートはあえて、打ち放しにしました。横目地ラインをひいて、アクセントをつけています。
ベタに塗るのではなく、太陽の光が当たったときに美しく見えるように工夫をしました。
またシャープなスチール窓枠をバランス良く配置しています。
ペントハウス部分の純白塗装と共にシンプルなファサードのなかでアクセントとして主張させました。
夕方になると、ライトがひかり、表札を照らします。蛍光灯ではなく、白熱球に近い色味を出すことで、影の印影がはっきり出るようにしています。
電気代もかからず、ほかの物件とは違う「おっ」という部分を光で作り出しました。夜物件を見学しに来た人が、「いいな」と思う部分をつくりました。
旗竿地の場合、エントランスまでいく道が暗い・・・という事が多くあります。光が当たる部分はあえて白のコンクリートを引き、光が伸びるように演出しています。
ファーサイドには植物を植え、入り口までのワクワク感を演出しました。悪い条件も、工夫次第で逆転できます。これがデザインによる力でもあります。
部屋のアイデア
部屋を広く、開放的に見せるには?
借りる部屋だから狭くても仕方がない・・・というのは少し前の発想です。今は、賃貸の部屋にも広さを重視する人が増えています。特に駅から5分以内など立地が恵まれている場合は、少しぐらい狭くても家賃が高く設定ができます。
駅から10分前後の物件の場合、やはり広さで勝負することが大事になってきます。賃貸住宅を作るときに大事なのが、限られた条件の中で、いかに広い部屋を作るか?ではないでしょうか?
こちらの部屋は対面型のキッチンです。ダイニングとキッチンを一緒にすることで、広い空間を作っています。
キッチンはオープンタイプ。リビングとダイニングと一体にしています。無駄な廊下がない分、広く部屋を使う事ができます。 階段・手すりは白く塗装しスケルトンにしています。壁などを作らず、圧迫感のない空間を作っています。
地下も利用しました
厳しい高度斜線、日影規制にさらされた地域では地下の部分を使うと、部屋を広くすることができます。
しかし注意が必要です。
地下に部屋を作る場合は、地域の地下水位などに気を付ける必要があります。地下は風通しと、日当たりの関係で湿気がこもりやすくなります。そのため、場所によっては、地下に部屋を作れない場合もあります。
地下に降りる階段を設置しました。
圧迫感を感じないように、壁紙、ドアは白でまとめています。
天井のライトはレールで異動することができます。生活のシーンに合わせて光を調節することができます。
地下とは思えないほど、光が入ってきます。
1階のバルコニー部分の床に「グレーチング」をひいています。グレーチングは、道路のわきにある、水を排水するために作られている事がおおく、目にした事がある人も多いのではないでしょうか?
もちろんですが、住居に使うこともできます。このように編み目になっているので、下の部屋まで光と風が入ります。
地下の部屋に圧迫感を出さずに光を取り入れることができます。
屋上部分も賃料アップのポイント
バルコニーが広い部屋、屋上がある部屋に住みたい!!というニーズはかなりあります。しかし、現実には物件が少ないのが現状です。今回は、プライバシーを守りながら、屋上がある部屋を作りました。
ハウスメーカーでは提案してくれない、その立地にあったオリジナルな設計です。新宿高層ビル群の夜景も独占できます。
ワンポイントの工夫で差別化を
プラスデザインでは、建築コストをかけずに、よい建物を作る事にこだわっています。建築資材や人件費が向上している中で、いかによい建物をつくれるか?を考えることは、非常に大切なことです。今回の物件は階段が多い物件です。階段部分は暗くなりがちです。
そこで、廊下に窓を設置しました。窓を作ることでスケルトン階段を通して上下階にも光が当たるように工夫をしました。
いかがでしょうか?暗くなりがちな廊下が開放的な空間になっていると思います。廊下の下には収納を作り、無駄なスペースも有効活用できるように工夫してあります。さらに、床の仕上げはカーペットにしました。
通路はどうしても足音が響く場所です。カーペットにすることで、音を下の階に響かないようにしています。入居者に長く住んでもらうには、ご近所トラブルを防ぐことが大切です。
音の問題は、クレームになりやすいデリケート問題です。さらに音は人によって聞こえ方が違います。
神経質な人でも大丈夫なように、生活音を最小限にする工夫をしました。
リフュージュ・オー・フォレストⅢ
最後に施主様と写真を撮らせていただきました。プラスデザインをご利用いただきありがとうございました
物件名: |
リフュージュ・オー・フォレストⅢ |
構造: |
RC造 |
階数: |
地下1階+地上3階建て+ペントハウス |
実績のご紹介です
マンションの設計、アパートの設計実績をご紹介いたします。プラスデザインではアパート、マンションだけでなく自宅、店舗の設計もしております。お気軽にご相談くださいませ。
はじめまして、代表の美農です
はじめまして、プラスデザインの美農と申します。
私は多くの物件を手掛けてきました。そのなかで、たくさんの矛盾をみてきました。
だからこそ、わかることがたくさんありました。
土地活用は良い建物を、良い企画のもとで作り、安心・安全に運用していくところまで考える必要があります。多くのノウハウと実績のあるプラスデザインにおまかせくださいませ。
完成までの流れについて
ご相談から、完成までの流れです。お客様の要望や予算を聞いて、オリジナルでプランをお作りいたします。
プラスデザインでは完成した後も、アフターフォローいたします。借り入れや融資についてのご相談も大丈夫です。
ご相談からはじまり、工務店の選定、プランニング、契約、建築確認申請、地鎮祭、管理、いくつもの工程を経て、完成となります。 建物は、作ってからが始まりです。管理方法などもきちんと説明させていてただきます。